人参は離乳食に適した栄養価の高い野の一つです。
しかし、調理の際に「人参が硬くて赤ちゃんが食べにくい」と悩むことはありませんか?
実は、人参を柔らかくするには科学的な知識と少しの工夫が必要です(笑)
なんて大袈裟なことをいいましたが、ちょっと知っておくと、大変重宝するのと、これを聞くと、そんな経験あるある!と思う人もいるのではないでしょうか?
この記事では、人参が硬くなる理由と、確実に柔らかくする方法、さらに離乳食として適した簡単なレシピをご紹介します。
人参が硬い理由
今話題になっています!
人参をいくら茹でても生のように硬いままになってしまった経験がある方はいませんか?
— 麦ライス(シェフ) (@HG7654321) April 30, 2024
それは茹でる温度によるものです。
人参は弱火(60℃〜70℃)の温度帯が長くなるとペクチンという物質が原因で生のように硬くなります。
なので茹でる際は弱火ではなく強火で一気に加熱をしましょう。… pic.twitter.com/FrMLCB7XYg
ペクチンの役割
人参の硬さを決めているのは「ペクチン」と呼ばれる水溶性食物繊維です。
ペクチンは人参の細胞と細胞をつなぐ接着剤のような役割をしています。
そのペクチンが働いているために、細胞同士が仲良く手を繋いで、人参のシャキシャキ感や硬さに寄与しています。
さて、ペクチンですが、加熱によって変性し、柔らかくなりますが、適切な方法で加熱しないと効果的に柔らかくすることができません。
人参を柔らかくする方法
ペクチンを効果的に変性させ、人参を柔らかくするための具体的な方法をご紹介します。
1. 適切な茹で時間と温度
お鍋で柔らかくする方法
人参を柔らかくするためには、適切な茹で時間と温度が重要です。
一般的に人参は10~15分程度茹でると柔らかくなります。
なんだ、普通だと思われるかもしれませんが、次が重要です!
沸騰したお湯に入れ強火で煮ることです!
そうすることで接着剤の役割をしている、ペクチンが切れて機能しなくなり、人参全体が均等に加熱され柔らかくなります!
逆に固くなってしまう理由
つまり、低い温度から茹で始め、60~70℃でコトコト煮ても柔らかくなりません!
それどころか,生の人参よりも固くなるのです!!
![](https://kidshappytime.site/wp-content/uploads/2024/04/1-150x150.webp)
えー!!びっくり!
でも確かに…離乳食を作る時に水からコトコト煮て、硬いから長く茹でますが、大して柔らかくならないな?という経験は多々あります!
理由は、ペクチンが不安定な状態にさらされると、安定しようと、仲良しなカルシウムと手を繋ごうとします。
それがペクチンメチルエステラーゼという酵素です。
この酵素は人参が持っており、60〜70度で活発になるので、この隙にカルシウムと結合し、安定した状態になります。
こうなると、より一層強い絆で硬く結ばれるので、これ以上煮ても柔らかくくなります。
2. 下処理としての電子レンジ加熱
電子レンジでの下処理も有効です。
人参を適当な大きさに切り、耐熱容器に入れてラップをかけ、600Wで3~4分加熱します。
その後、通常の茹で工程を行うと、さらに柔らかく仕上がります。
一緒に茹でると柔らかくなるもの
1. 酸の利用
先ほどの酵素が関係しているのですが、酸性、アルカリ性のpHとも関係があります。
- 酸性のとき:硬くなる
60~70℃のときと同じように、カルシウムと結合して硬くなります。
- アルカリ性のとき:柔らかくなる
五目大豆のように、(アルカリ性)を含む大豆と一緒に煮ると、ニンジンは比較的軟らかくなりむす。
2. 重曹の利用
重曹も同じで、アルカリ性の状態を作ります。
重曹(炭酸水素ナトリウム)は、ペクチンを分解する効果があります。
茹でる際に少量の重曹(小さじ1/2程度)を加えることで、人参が柔らかくなります。
ただし、重曹を使うと独特の風味がつくことがあるため、離乳食には使わない方が良いでしょう。
人参を使った離乳食レシピ
ここでは、人参を使った離乳食に適した簡単なレシピをいくつか紹介します。
1. 人参のペースト
材料:
- 人参:1本
- 水:適量
作り方:
- 人参を皮をむき、薄切りにします。
- 鍋に水を入れ、沸騰させたら人参を加え、柔らかくなるまで10~15分茹でます。
- 柔らかくなった人参を取り出し、ブレンダーやフードプロセッサーで滑らかになるまでペースト状にします。水分が足りない場合は、茹で汁を少しずつ加えて調整します。
2. 人参とじゃがいものマッシュ
材料:
- 人参:1本
- じゃがいも:1個
- 水:適量
作り方:
- 人参とじゃがいもを皮をむき、適当な大きさに切ります。
- 鍋に水を入れ、沸騰させたら人参とじゃがいもを加え、柔らかくなるまで10~15分茹でます。
- 柔らかくなったら水を切り、フォークやマッシャーで滑らかにします。必要に応じて茹で汁を少し加え、赤ちゃんが食べやすいように調整します。
3. 人参とリンゴのピューレ
材料:
- 人参:1本
- リンゴ:1/2個
- 水:適量
作り方:
- 人参を皮をむき、薄切りにします。リンゴも皮をむき、芯を取り除いて薄切りにします。
- 鍋に水を入れ、沸騰させたら人参とリンゴを加え、柔らかくなるまで10~15分茹でます。
- 柔らかくなったら水を切り、ブレンダーやフードプロセッサーで滑らかになるまでピューレ状にします。必要に応じて茹で汁を少しずつ加えて調整します。
4. 人参と鶏肉のおかゆ
材料:
- 人参:1本
- 鶏むね肉:50g
- ご飯:1/2カップ
- 水:1カップ
作り方:
- 人参を皮をむき、すりおろします。鶏むね肉も細かく刻みます。
- 鍋に水とご飯を入れ、中火で煮ます。
- 沸騰したらすりおろした人参と鶏むね肉を加え、さらに煮込みます。人参と鶏肉が柔らかくなるまで煮続けます。
- 全体が柔らかくなったら、火を止めて少し冷まし、赤ちゃんが食べやすい温度にします。
まとめ
人参が茹でても硬いままになってしまう理由と、その解決策を詳しく紹介しました。
人参の硬さを決めるペクチンは、適切な加熱方法と工夫によって柔らかくすることができます。
特に、茹で時間と温度、酸や電子レンジでの下処理など、いくつかの方法を組み合わせることで効果的に柔らかくできます。
これらの方法を実践することで、赤ちゃんの離乳食として柔らかくて食べやすい人参料理を提供できるでしょう。
ぜひ試してみてください!
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